約束の小指、誓いの薬指。
そう悩んでいたら、男性が立ち上がり話し出した。
「あの、初めまして。阿部健太郎といいます。
その…今日は綾に強引にここに来るように言われまして…。
あなたもそのようですね。
何だったら帰られて結構ですよ。俺もこれ飲んだら帰ります。綾には適当に伝えておきますから」
帰りたいというのが顔に出てしまっていただろうか。
既に失礼な態度をとってしまったというのに、嫌味のない穏やかな声で落ち着いた雰囲気で話してくれる。
そんな阿部さんに警戒心を解いた私は、座る阿部さんにつられて席に腰をおろした。
「く、久我、凛音です。
…すみません。
あの、訳がわからず、あ、阿部さんのことを無視して逃げようなんて…考えてしまいました」
初対面の男性はとにかく緊張する。身体が固まって視線は机の上を這っている。相手の目なんて見れるはずがない。
そんな会話のおぼつかない私に対し、阿部さんは柔和な笑顔で返してくれた。
「あの、初めまして。阿部健太郎といいます。
その…今日は綾に強引にここに来るように言われまして…。
あなたもそのようですね。
何だったら帰られて結構ですよ。俺もこれ飲んだら帰ります。綾には適当に伝えておきますから」
帰りたいというのが顔に出てしまっていただろうか。
既に失礼な態度をとってしまったというのに、嫌味のない穏やかな声で落ち着いた雰囲気で話してくれる。
そんな阿部さんに警戒心を解いた私は、座る阿部さんにつられて席に腰をおろした。
「く、久我、凛音です。
…すみません。
あの、訳がわからず、あ、阿部さんのことを無視して逃げようなんて…考えてしまいました」
初対面の男性はとにかく緊張する。身体が固まって視線は机の上を這っている。相手の目なんて見れるはずがない。
そんな会話のおぼつかない私に対し、阿部さんは柔和な笑顔で返してくれた。