約束の小指、誓いの薬指。
「そうだな…。何から話したらいいんだろう。


じゃあ、まずはこれ」


言葉を溜めてじっくり時間をかけてから、目の前に置かれたのはおよそ1か月前に発売になったあの週刊誌。私たちの写真が載ったあのページ。


「正直に答えて下さい。ここに写っているのは久我さん、ですよね?」


え…。
戸惑いのあまり思考が停止する。


でもすぐに、否定しなければと切り替わる。


「ち、違いますよ。

顔は隠れてるし、よく見えないのに、どうして私だと思うんですか?
私のはずありません」


私が否定をした瞬間、もっと言うと嘘をついた瞬間、阿部さんの目はそれを見抜くかのように鋭くなった。
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