約束の小指、誓いの薬指。
ぎゅっと拳を握る私だが、私の心の内を見透かすように阿部さんは続けた。


「本当のことを言うと、今さら久我さんがこの写真について認めようが否定しようが関係無いんだよね。
真実はとっくに知ってるから」


「し、真実って…。
これは私じゃないって言ってるじゃないですか…」


「大島ハルカ」


え…?
今何て…?


どうして阿部さんの口から彼女の名前が出てくるの?
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