約束の小指、誓いの薬指。
「そんな怒んなよー、また連絡するから！
あと、浮気のことを確認するなら記事が出る前に済ませておきなー！」


そんなアドバイスは大きなお世話だ！
連絡だってしてこなくていい！
二度と関わりたくない。


帰宅してからも考えるのはあの写真のことばかり。


「…わかんないよ」


どうしてあんな写真が撮られるの？
あんな写真がこの世界に存在していることが許せないよ。


1人で考えててもきりがないか…。


携帯で電話をかける。
相手は愁くん。
阿部さんに言われたからでは決してないが、今のうちにあの写真のことをはっきりさせておきたかった。


呼び出し音が続く。
それと共に鼓動が速く大きくなっていく。
意を決してかけたのだけれど、まず何て言えば良いのだろう。
そう思うとどんどん不安になってきた。


待って。まだ出ないで。
緊張して、今は頭が真っ白だ…。


「もしもし、凛音？」


だが、耳馴染みの良い声が携帯から聞こえてきた。
大丈夫だと、心のなかで何度も言い聞かせながら、私は第一声を発する…。
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