約束の小指、誓いの薬指。
志水が喋らなくなり、社内は何とも言えない沈黙に包まれたが、それからすぐ志水の住むアパートの前についた。


「ありがとうございます。

あの、週刊誌に取り上げやれたことで、相葉さんが落ち込んでいるのはわかります。
だけど、これはチャンスだとも思うんです。


…神様が、私にくれたチャンスです。
相葉さん、そこまで苦しむ必要はないんじゃないですか?」


神様?チャンス?
志水は何の話をしているんだ?


僕の頭の中がハテナマークで埋め尽くされた時、不意に訪れた唇への感触。


キスされている…。


そう頭が理解してすぐに志水の肩を掴んで距離をとった。
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