約束の小指、誓いの薬指。
仕事の後、後輩を送っていたから家に帰るのが遅くなったと言うべきだろうか。
いや、志水の名前を出したとして、小さな嘘をいくつも重ねて通せる気がしない。
それならいっそ、全てを無かったことにしてしまったほうがいいかもしれない。
「あぁ、その夜は仕事だったよ。
凛音、マンションに来たのか?
会いたいのは僕もだけど、今会うのは危険だよ。
凛音が僕のマンションに来るなんて、誰に狙われるかわからない」
『…』
あれ?
何も聞こえなくなった。
凛音が黙ってしまったのだろうか?
きつく言い過ぎたか?
「凛音?
別に怒ってるとかじゃなくて…」
『ごめん、愁くん。
今、色々考えたいことがあって…、少し距離を置きたい、です』
いや、志水の名前を出したとして、小さな嘘をいくつも重ねて通せる気がしない。
それならいっそ、全てを無かったことにしてしまったほうがいいかもしれない。
「あぁ、その夜は仕事だったよ。
凛音、マンションに来たのか?
会いたいのは僕もだけど、今会うのは危険だよ。
凛音が僕のマンションに来るなんて、誰に狙われるかわからない」
『…』
あれ?
何も聞こえなくなった。
凛音が黙ってしまったのだろうか?
きつく言い過ぎたか?
「凛音?
別に怒ってるとかじゃなくて…」
『ごめん、愁くん。
今、色々考えたいことがあって…、少し距離を置きたい、です』