約束の小指、誓いの薬指。
その言葉に、さーっと血の気が引いていく。


「え、距離って…。
どういうこと?」


『落ち着いたら、連絡するので…』


「ちょっと、凛音…!」


名前を呼んだ頃には既に通話終了の電子音が響いていた。


現実を受け止められず、携帯を持ったままでその場に立ち尽くす。


それからの仕事は、どうやってこなしたのかわからない。
気がついたら家に帰っていて、朝を迎えていた。
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