約束の小指、誓いの薬指。
「ひどい!
こそこそこんな写真撮るなんて」


いち早く反応したのは志水だった。


「すいませんね、これが俺の仕事なんで。
でも、志水さんにとっては、この写真が世に出る方がいいんじゃないですか?
相葉さんが彼女と別れるかもしれないんですから」


ウブを装ってもこれくらいはわかる。
この女はたぶんそこまで計算している。
どんな手を使ってでも、相葉を自分のものにするつもりなんだろう。


心の内を言い当てられた志水は、むすっと押し黙った。
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