約束の小指、誓いの薬指。
リビングに戻ってから、とりあえず座って落ち着く。


「もうあと2分で12時なるな。
ケーキ買ってきたから、ろうそく立てよう」


「わー、美味しそう。ありがとう!」


箱から出されたのは、デコレーションされたホールケーキ。チョコレートのプレートも飾ってある。
これをケーキ屋さんで買っている愁くんを想像すると、ついニヤけてしまう。


火をつけてもらって電気を消す。ぼぅっとろうそくのわずかな灯りだけが揺らめく。
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