約束の小指、誓いの薬指。
「ニューヨーク!?
久我さん、1年間もニューヨークに行くんですか!?
驚いた…。

手紙は、うん、ちゃんと渡しておくけど…。
まさか久我さん……別れる気?
相葉は久我さんと会えなくて毎日仕事が終わる度に脱け殻になってる!」


「…大丈夫ですよ。
プライベートでは脱け殻でも、仕事で手を抜く人じゃないですし、それに……。

それに、支えてくれる人は他にもいるみたいなので。
それでは」


まだ何か言いたそうにしていた富沢さんだけど、このまま話していると愁くんに会いたくなってしまいそうで、私はその場から立ち去った。
多くの荷物を持ってふらつきながらも早足で。
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