約束の小指、誓いの薬指。
「はい、つけたよ」


「わー、綺麗。本当に嬉しいよ」


鏡の前に立っていろんな角度から見てみる。動く度に胸元で上品に光るネックレス。至れり尽くせりで感動しっぱなしだ。


「よかった」


後ろから、鏡に映った私を見て微笑んでいる愁くん。その姿に私は胸を鷲掴みされた。


「愁くん…」


振り向いて愁くんの着ているシャツの裾をきゅっとつまむ。もはや自分では制御不可避な、溢れだす好きという気持ちを受け止めてほしくて、体を寄せる。
その気持ちが伝わってか、愁くんの腕が私の腰に回される。あと少し。きゅっとつま先立ちをして身長を愁くんに近づけ、まぶたを閉じる。
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