約束の小指、誓いの薬指。
「いおりんそんなに怒んないで」


伊織と綾はそりが合わないみたいだけど、2人のお陰でこのグループのバランスが保たれている部分もある。
それに、伊織をいおりんなんて呼べるのは綾しかいない。


「その呼び方やめろ」


「凛音は何してたの?普段はこんな遅くまで起きてないでしょ?」


綾は伊織を無視して私に話を振ってくる。
怒ってる伊織の前ではすんなりと答えにくいけど…、ここは話を続けよう。


「自分でお祝いしようと思って起きてただけだよ」


「そっか。
もしも凛音の誕生日を祝いに来た男性がいたらどうしようかと思ってたんだよね」


ギクッ。
これは、単なる冗談だよね。
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