約束の小指、誓いの薬指。
冷や汗が止まらない。


「そんな人…いるわけないよ」


私はちゃんと笑えているだろうか?


「だよね。
じゃあ、あがっていい?」


「え!?
ちょ、ちょっと待って」


玄関をあがろうとする綾を制止して、私は大きく手を開いて通れないようにする。


「何かまずいの?」


まずいよ!この中に声優相葉愁の存在を知ってる人がいないとしても、ここでの対面は問題がありすぎる!


「散らかってるの!すっごく!」


出てきたのはこのまま帰ってもらうには効力の弱い嘘。
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