約束の小指、誓いの薬指。
リビングに戻ると、バタバタとケーキを箱に戻す愁くん。既に危機を察知しているらしい。


「どうしよう!本当にどうしよう」


「お、落ち着けって。

よし!僕がどっかに隠れよう。皆が帰るまで大人しくそこにいるよ」


2人共に焦っているのは明白だった。パニック状態の私に比べれば愁くんは落ち着いているけど、それでも慌てていてベランダに隠れようとしている。


「え!外!?
いつ帰るかわかんないよ?」


私もどこか突っ込み所がずれている。
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