約束の小指、誓いの薬指。
「でももう玄関からは出られないんだし」


「じゃあ、お風呂場!洗面所が一番安全かも」


「わかった」


と言うわけで、愁くんは洗面所に隠れることとなった。
寝室でも良いかなと思ったけど、以前眠たいと言った綾に普通に開けられたことを考えると、危険が伴う。


洗面所の扉をきっちり閉めて、一旦リビングに戻る。
部屋を見回して、おかしな所がないか確認。心臓がなりやまず、落ち着かない状態ではちゃんと確認できたかどうかは怪しい。だけど皆を長く待たせるのも申し訳なくて、緊張しながら玄関を開けた。


「お待たせー…」

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