約束の小指、誓いの薬指。
マンションの一室。間接照明でぼんやりと照らされたベットの上で、私は愛しい人の声を耳元で聞いていた。


「いつまでも待たせてごめんね。やっと君を幸せにする準備ができたんだ。

僕と結婚してください」


とても思いのこもったプロポーズの言葉。話の流れで言うんだろうなとは薄々気づくものの、その言葉を耳にした途端にドクドクと体の芯の方から音がする。


「……っ、きゃーー!」


そのストレートな愛の囁きにじっとしていられなくなった私は、叫びながら足をばたつかせてタオルケットを宙に舞い上げた。


…これが噂に聞く胸キュンというものか!

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