約束の小指、誓いの薬指。
まだ眠たいなか、事務所に入と待ち構えていたのはマネージャーの富沢大輝。
こっちこっち。それだけ言われて奥の個室に連れていかれた。


「なんだよ…」


「どうだった?彼女、喜んでくれたか?」


神妙な顔をしているから何事かと思ったら…。
声をひそめて話すこの男は、僕のマネージャーであり親友。同じ年齢ということもあってか、この業界に入った時からの長い付き合いだ。落ち着きがないのは、会ったときから変わっていない。いい加減成長してもいいと思うんだが…。


しかし唯一、僕と凛音の関係を知っているというレアな人物。
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