約束の小指、誓いの薬指。
「喜んでたよ。

…途中、友達が来て焦ったけど」


「は!?友達!?
まさかバレたってこと…」


「ないよ。大丈夫だ」


心配性なところがたまにキズ。最初は交際にも良い顔はしなかった。それはまるで息子を溺愛する母親のように。
だけど今は応援してくれているし、相談できる存在というのは僕たちの支えにもなっている。


「でも、あの相葉愁が彼女の為にサプライズねー。
可愛いところもあるんだな。

もう誰とも付き合うことはないかもしれないなんて行ってた男がねー」


余計なことをペラペラと…今更思っても仕方がないのだが、僕は秘密を共有する相手を間違えたかもしれない。


「うるさいなー」


結局大輝が話したかったのはこれだけらしく、僕はアフレコ現場へと向かうことにした。


まぁ…確かに、以前は誰とも付き合えないだろうなんて、そんなことを言っていたこともあった。その頃は割と本気でそう思っていた。
運転する車の中で過去のことが色々と思い出される。
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