約束の小指、誓いの薬指。
「僕以外の男のことを考えるなんて、先輩は余裕ですね」
今日もCDで勉強。
4年生ともなれば学校に行くことも少なくなり、大学の友達とも前に比べれば会う時間が減ってくる。
そんなことを考えて寂しさにうちひしがれていると、ちょうど今日の夜は女子会をするよという連絡。あまりのタイミングの良さに思わず笑ってしまった。
でも、本当にそうでもしない限り皆が揃うことなんて奇跡でも起こらないと実現しない。
これはもう、行くしかない!
まだ日の落ちきらない夕方、大学近くのレストランに同じ学部の仲の良い5人が集結した。久しぶりに会ったとあって、皆話したいことがありすぎてウズウズしているように見える。
頼んだドリンクが全員分届いて乾杯をした途端、雪崩のようにそれぞれが話し出した。
懐かしいこの賑やかな時間。
でも…誰の話を聞けばいいんだろう。皆自分の番がきたらここぞとばかりに恋人の話をしだして、もはやなんのまとまりもない。
「ねぇ、聞いて聞いて!
比奈子から報告がありまーす」
ガヤガヤしていた所に一際大きい声があがり、皆の視線は眼鏡をかけた知的女子に集まった。