約束の小指、誓いの薬指。
暫しの沈黙のあと、彼女は口を開いた。


「そのアニメ、放送はいつなのですか?」


おぉ。話しかけてくれた。
そんなことでいちいち感動する僕は、もう完全に彼女の手の上で転がされているのだろうか。


「たしか、年が明けてから始まるんだったと思う。
まだ曜日も時間も決まってないんだけど、深夜アニメだから25時くらいにスタートするんじゃないかな」


ちらっと目の端で彼女を見ると、頭の上にはてなが浮かんでいる。
それを見て僕もはてなが浮かぶ。そんなおかしいこと言ったか?25時という表現に馴染みがなかったのだろうか。
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