約束の小指、誓いの薬指。
「へぇ…」


きっとよくわかっていないんだろうな。
今度アニメを一緒に見てみるか?
でも、自分の仕事についてわかってほしいと思う部分もあるけれど、わからないまま彼女らしくいてほしいと強く思う。
複雑だ。


彼女のマンションの前につく頃にはもう日は暮れていた。


「それじゃあまた今度連絡しますね、久我さん」


車を降りる彼女にそう言葉をかける。


「はい…」


しかし、降りた彼女はなかなかドアを閉めようとしない。どうかしたのだろうか?
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