約束の小指、誓いの薬指。
そして、自分の気持ちを抑えきれなくなっていた。
いつものように凛音をマンションまで送り届け、その別れ際に凛音に言った。


「結婚を前提に付き合ってもらえませんか」


20歳の子に、夢に向かって頑張る子に告げる言葉ではなかったのかもしれない。
だけど、好きだから付き合ってという言葉は、自分のことしか考えてない気がして僕は好きではなかった。


これでフラれたらもう会うことはできないだろう。そう考えると怖いが、覚悟を持って凛音の目を見た。
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