約束の小指、誓いの薬指。
こうして僕には人一倍アニメ界に疎い、人見知りの彼女ができた。凛音に出会わせてくれた全てのことに感謝したい。


アフレコ現場に向かいながら、かつてのことを思い出す。
当時はまだ大学2年生で夢に向かって毎日を駆け抜けていた。それが今年は4年生になり、その夢を自分の力で掴もうとしている。


相変わらず僕のいる世界については疎いけど、その頃に比べると色んなことを知っているようになった。
声優には熱狂的なファンがいることを理解しているからこそ、親しい友達にも僕との関係を漏らさずにいてくれるんだ。
精神的にも簡単なことではないだろうに。
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