約束の小指、誓いの薬指。
「凛音は人見知り激しいんだから、そんなこと言ってたら彼氏できないよ?
干物になっちゃうって」


干物になっちゃう?どういうこと?
恋愛をしなければ何かしら問題が発生するの?


とにかく、私は人にあれこれ言われて恋愛をしようとは思わない。


「私には恋愛とか向いてない気がするし…。
ほんとに、もう…いいから」


そう言って、徐々に盛り上がりの輪から外れていった。
こういう恋愛話は得意ではない。
その理由には、自分の話をできないからというのもある。誰かとくっつけようとしてくるのをかわさなきゃいけないのに気を使うっていうのもある。
でも1番は嘘をついているという罪悪感。


言ってしまいたい。
私にも彼氏がいるんだって。
…だけど、誰?なんて聞かれても困るし、詳しくは話せないし。やっぱり言えないや…。
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