約束の小指、誓いの薬指。
凄い。信じられない。
相葉愁とは一体何者なんだ。
この歓声が全て自分に向けられているというのは、どういう気分なんだろう。
そう思って愁くんをじっくり観察するけど、手を振って歓声にこたえている。どうやら彼にとってこの歓声は、この異様な空気感は慣れたものらしい。


ステージに全員が登場してから、オープニングトークが始まる。


「クリスマスイブなんだから、隣に女性がいてほしいですよね」


「わかります。
寒い夜に温め合いたいですよね。

誰か俺をもらってくれる人いるー?」


先輩に乗っかってそんなことを言う愁くん。
会場からは、はーいという声があがる。
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