約束の小指、誓いの薬指。
「うっわー、惜しい!
1番違いだー」


すぐ隣でもそんな声が聞こえてくる。
綾は惜しかったらしい。それはもの凄い悔しがりよう。
…って、ん?
1番違い??


脳にピリッとした刺激が走り、恐る恐る座席の背もたれを見た。
まさか。
まさかまさか…。


そこには10-17と、村上さんが言った席番号が書かれていた。


嘘でしょ…。


ステージにあがるなんて緊張するし、それ以前に愁くんのいる所になんて行けない。


しかしそんな私の思いとは裏腹に、会場のスタッフが私のもとに来てこちらへと急かされる。
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