約束の小指、誓いの薬指。
「え、あの…」


どうしよう…!


「お!あの方ですね!
暗いので気をつけて上がって来てくださーい」


どうしよう…。
注目されている。会場中の人の視線が私に突き刺さっている。
こんなの、耐えられない。


足を震わせながら、私は強引にステージに上げられた。
光があたり、愁くんにも私の姿がはっきりと認識できたよう。
目が合って愁くんは一瞬固まった。
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