Strawberry Night
Strawberry Night
からん からん
ドアベルが店内に響く度に、振り返り出入り口を確認をして直ぐさま腕時計の針に視線を落とす。そして本日何回目になるか判らない深い溜息を零す。
空に成りかけているグラスの中のアルコールを一気に飲み干す。中の氷が半溶してしまっているため味は殆ど無味だ。まあこれからのことを考えると憂鬱過ぎて味など全くしなかったのだから然程気にはならなかったのだけれども。
彼女が来るか来ないかはわからない、けれどもう決めたことを明言しなければならない。賽は投げられたのだ。否正確には投げたのは紛れも無い自分自身なのだけど。
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