『あの時、君は……』
練習が終わると、男子は男子の部室、女子は女子の部室へと戻っていった。

「彰お疲れ」

男の部長が俺に声をかけた。
この人は高校の県大会でも高位につく人だ。

「お疲れ様です! 先輩」
「お前、女子に人気高いなぁ」
「そんな……」

俺は軽く照れた。

「そんな、じゃねぇよ。部室の外行けよ!」
「……はい?」

俺は先輩に促されて、部室の外に出た。

「彰くーん!! 一緒に帰ろー!!」
「……」

大人数の女子が俺の帰りを待っていたようだ。

どうしよう……

俺はこれから女子の相手をする事になった。
でも、その中には瞳の姿はなかった。
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