『あの時、君は……』
お金をいれ、飲み物が落ちて来た。
俺は、炭酸水。瞳は、スポーツドリンク。
公園のベンチに座って、星を見上げながら、俺達は買った物を飲んでいた。
「ねぇ、彰、またいつか、私が帰って来たら、一緒にこういうきれいな空、見られるといいね」
満天に輝く星は、煌煌と光っていた。
夏の空は、秋の空よりは近く、冬の空よりは遠く、とても身近に感じられた。
「大人になったら、こうやってさ、ジュースはお酒に変わって、空を見ながら飲むの。きっとお酒、おいしいよ」
「お前、酒飲んだ事あんのかよ」
「まさか! お父さんに逮捕されちゃう」
瞳はくすりと笑った。
俺も吹き出して笑った。