『あの時、君は……』
「……と、到着……」
俺の背中は、汗ばんでいた。
「お疲れ様!」
瞳が背中を一回叩き、次に朝焼けを指差した。
「ね? きれいでしょ…? ここ……私、一回でいいから、彰とここの景色みたかったんだぁ……」
朝焼けを見て、言葉を失った。
疲れてではない。
呆れてでもない。
ただたんに、瞳と俺が今見ているこの朝焼けが、俺が経験した絶景スポットよりも、何倍も綺麗だったからだ。
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