『あの時、君は……』

「えっと、入場券ないとホーム入れないから……って、アレ?」
「どうした?」
「入場券……どこおいたっけ……?」

俺は笑った。

「お前、切符と一緒に入場券もいれただろ、財布の中に」
「あ……」

瞳が頬を赤らめた。
案外かわいい顔。
そのまま、俺達が一緒に買い物した時に買った大きめの鞄をあけ、財布をとりだす。

「あった!」

……こんな調子で電車乗れるのか……?
俺は少し困った。


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