『あの時、君は……』
題名:隣りにいて

赤の空を見上げて
君は言った

またいつか一緒に
この空を見れたらいいな

と、


青の空を見上げて
君は言った

一緒に見れる最後の空は
これかもしれない

と、



一緒に見れた、
それだけで嬉しかった。
隣りに君がいて、
それだけで楽しかった。



雨空を見上げて
君は言った

髪が濡れてウザいなぁ
早く止まないかな

と、


そんな会話だけでも、
楽しかった。



涙を流す空を見上げて
僕は言った

やはり君がいないと
僕はずっと泣いてしまう

と、


冷たい空を見上げて
僕は言った

君がいなくなって
僕の心が冷めきった

と、



いなくなって
ありがたみがわかった
君だったから
僕が僕でいられた


僕の隣りに君がいて
君の隣りに僕がいた

それが一番

幸せだった……







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