『あの時、君は……』

=お願いします=

そんな瞳とのぎくしゃく関係の真っ直中、俺と瞳はコート整備当番となっていた。
4コートを二人でブラシを使い整備する。

早く整備が終わったのは、瞳の方だった。

「お、早いな瞳」
「ん? そうかな……」
「あぁ」
「……」

やばい!
また会話が途切れ……

「ねぇ、彰?」

瞳が会話を続けてくれた。
こんなこと、滅多になく、俺はその会話に乗る。

「ん? 何?」
「……今日、一回でいいから……一緒に帰んない……?」
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