『あの時、君は……』
今日は久々に快晴だったため、下校時間は18時半を回っていた。
いつもは瞳から手を繋ぐ。
でも、今日は、俺から手を繋いだ。

「?……??」

瞳が不思議そうに顔を赤くして俺を見る。

「……瞳。俺な、瞳に伝えたい事あるんだ……」

瞳はぎくりとする。

「……私も、彰に伝えたい事が……」

俺は、瞳の顔が見れなかった。

「……お前から言えよ……」
「いい。私のは……かなり、深刻だから……」
「え……?」

俺が聞き返すと、瞳は慌てる。

「あ、ううん。なんでもない! 彰からどーぞ」

なんだか……
瞳の様子がおかしい。
でも、俺は瞳の言うように、自分から話始める事にした。
< 63 / 203 >

この作品をシェア

pagetop