『あの時、君は……』
「俺、瞳の事……さ」

だめだっ
言葉がつっかかる

「その……なんてんだ?」
「ん? 何?」

瞳が上目遣いで聞き返す。

やめろやめろ!
俺狂っちまうから!

「ひ、瞳……」

俺は、瞳に抱き付いた。
あまりに強く抱き付いて、痛かったかもしれない。

そして、また瞳の目を見る。

……俺、絶対今とろんとした目になってるかも……

そう思いながら、その場の雰囲気で瞳ね艶のある唇に指を置き、重ねた。
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