『あの時、君は……』
どーせ、いないんじゃねえのか?
俺は頬杖をついて、女子の方を見たら――いた。
1人だけ、恥ずかしそうに手を挙げていた。
ウルフカットの子だった。
目はくっきり二重である。
男の部長が、にっこりして続ける。
「君、何位まで行ったの?」
「え、あ……8位……です」
「すごいね!」
「そんな……」
話し方がとてもおどおどして、結構かわいい子だな、と俺は思った。
「どこ中? 名前は?」
「中学は、宮城県ですから、わかんないと思います……名前は、瞳です」
俺は頬杖をついて、女子の方を見たら――いた。
1人だけ、恥ずかしそうに手を挙げていた。
ウルフカットの子だった。
目はくっきり二重である。
男の部長が、にっこりして続ける。
「君、何位まで行ったの?」
「え、あ……8位……です」
「すごいね!」
「そんな……」
話し方がとてもおどおどして、結構かわいい子だな、と俺は思った。
「どこ中? 名前は?」
「中学は、宮城県ですから、わかんないと思います……名前は、瞳です」