感情方程式。
始まり。

-奏太side-


チャイムの音が鳴り響いた。
今日の天気は晴れ。
いつもとは違う青空が広がっている。
入学式が終わり、桜の季節も終わった。
葉桜たちが優しい緑をなびかせている。

そんな俺、小野寺奏太は理科準備室で
朝の一杯を味わっているところだ。
ここからは校門から生徒玄関が見渡せる。
そのため、遅刻して駆けてくる生徒の様子なども見れる。


「...今日もか。」


最近、目に付く生徒がいる。
だが名前もクラスも、学年も知らない。
周りは焦ってるのにのろのろ歩いているため
やたら目立つ生徒。


それが始まりの
俺たちの“ダメ”な日常のお話―――。
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