感情方程式。

月曜日の朝、
いつも通り7時45分に学校に着いた。
車から出た瞬間、よく見る後ろ姿を見つけた。

「おはよう。」

そう声をかけてみると、正解だった。
くるりと振り返ったら少しツンとした表情をこちらに向けて来た。

「…おはようございます。」
「どうした、突然こんな朝早くに登校して！」
「いや、早起きしたから来ただけだよ。」


……彼女は、最後に少しだけヘラリと笑ってそう言った。
全然笑ってくれなかったのに、笑ったから俺は立ち止まってしまった。

「ねぇ、…大丈夫？」
「……っあ、いや、すまん。」

他の生徒も登校をしているのを完全に忘れていた。

「あー！奏ちゃんだー！おはよー！」

そう声を掛けてくる他の女子生徒の声で現実に引き戻された。
今は二人きりじゃなかったんだった…。
もういろいろと自分自身がヤバくなって来ているんだな。

3人の女子生徒に声を掛けられた瞬間に、菊池は早足で生徒玄関に入っていった。


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