感情方程式。
職員室に着き、荷物をまとめたあと何と無く図書室へ向かってみた。
あのまま菊池は教室へ向かったのだろうか…。

入り口に手を掛けると話し声が聞こえた。

「何で来ねえんだよ。」
「居ればわかるでしょ。あたしがいる事で空気悪くしてるし聞こえてるんだってば!」

菊池…?
声を荒げてるのは多分菊池だ。
そして一緒にいるのは同じクラスの男子の様だ。


「お前は俺と一緒にいればいいだろ?」
「は?何それ。」
「幼馴染みだからこそ庇おうとしてるだけだろ!」
「あんたのお母さんだって!あたしと遊ぶのは止めろって散々……!!」


だんだん激しくなる言い争いに俺は割って入った。
今にもお互い何かをしてしまいそうな程、怒りが込み上げていた。

「図書室は喧嘩をするところじゃない。そしてもう時間だ。戻れ。」

男子生徒はそのまま出て行った。
しかし、菊池はそのまま膝から崩れて地べたに座り込み始めた。
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