感情方程式。
休み時間、私は教室に戻った。

「麻璃。待てよ。」
「何。」

声だけでわかる。
そして掴まれている方にグッと力を入れられた。

私の前にいるのは 滝田 蓮。
小さい頃からの幼馴染。
家が近所であり、その町内にある公園で遊んだことがキッカケだ。
そして、高校1年生の時に付き合った“元彼”でもある。


「ずっと図書室に居たのか?」
「何処に居たっていいでしょ。」
「頭にくる態度だよな、本当。」

彼は、悪い人ではない。

「だからあたしと一緒に居れば、あんたも同じ様に見られるんだって…。」
「俺は別にいいんだって何度も言ってるだろ。」
「あたしにはもう抱えきれないモノなの。だから止めて。お願い。」

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中学2年生から始まった。
『まりちゃんって、すごい生活してるんでしょ?』
『まりちゃんはお金持ちだから、色んな物がお家にあるんでしょう?』
『まりちゃんはどうしてお金があるのに私達と一緒にいるの?』
嫌味のある言葉を友人たちに言われる日々が続いた。
その中でも守ってくれたのは蓮だった。


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