感情方程式。
すると次は彼女のが俺自身に抱き付いてきた。
顔を少し桃色に染め、うずくまっている。
優しくそっと頭を撫でると彼女の力が増した。


「…バカ。」
「大人なのにガキ臭い行動とったわ。」
「……。」

黙り始めた。
さすがにこれはヤバイなと焦った所で、彼女にちゃんと謝ろうとしたがーーー

「あたし好きになっちゃうじゃん」

そう静かに胸元で呟いた。
思いもよらない言葉で、俺自身も動揺した。
どうしたら良いかわからずただ、目を見開くことしか出来なかった。


「菊池?」
「何。」
「なぁ……」


「俺ら、これからイケないことをしようか。」


そう優しく笑いながら、俺はそう言ったんだ。
踏み外したきっかけの全てはココからだった。




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