感情方程式。

5分くらい経つとノックが聞こえた。

「失礼します…」
「ごめんね。」
「いや、別に…」


彼女を招くと同時に、入口ドアにはカーテンがかかっているため、それを閉めた。

「幼馴染が俺に詰め寄ってきた。」
「え…」
「どんな関係なの？とかね。」

麻璃は気まずそうな表情をして顔を曇らせた。

「何か…すみません。」
「大丈夫だよ。俺なりに流したし。」

ポンポンと頭を撫でると俺のスーツの裾を掴んできた。
可愛らしいことしてくるねえ〜。
口にはせずに頬に俺はキスした。
何か言いたげそうな顔をしてこちらを見ている。

「何？」
「……蓮、幼馴染でもあるし…元カレでもあるんだ。」
「それはあいつも言ってなかったわ。そうだったんだね。」
「そっか。」
「大丈夫。麻璃を簡単に返さない。」
「…何か臭いセリフ。」

彼女は口角をあげ、クスクスと笑っていた。
一緒にいるうちに笑ってくれるようになった。
俺は本当にそれが嬉しかった。

「帰ろうか。」
「はい。」

生徒入口と職員入口は別の場所なので準備室を出た直後から別れた。



.