感情方程式。
お母さんの手作り料理は美味しい。
今日は和食だった。
「いただきます。」と一言つぶやき食べ始めた。
やっぱり美味しい。

「今日の学校はどうだった?」
「別に、今日もいつも通りだったよ。」

この質問は弟に向けたものだ。
私は基本無言だ。
にしてもこの鮭美味しい…。

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食事を終え再び部屋に戻る。
バイブ音が私の太腿で響いた。

「…。」

[コーヒー飲みたくて買いに行ったらこんな時間になっちゃったよ〜。さて、お家は大丈夫?]
軽い文面すぎないか…。
取り敢えず私は返信をした。

[もう20時過ぎですよ。こんな時間にご飯は太りますよ。まぁ細いからそんな事はないと思うけど。]

…嫌味くさいかな。
まぁ、私らしいかなと思い迷わず送信ボタンをタップした。
すると突然部屋のドアが開いた。


「お姉ちゃん?」
「わぁッ!」

久しぶりにこんな声を出してしまった。
私は恥ずかしさで顔がどんどん赤くなっていった。

「どうしたの?てか、楽しそうだね。」
「そんなことないッ…‼︎ごめん、数学でしょ?今部屋行くね。」
「ううん、解決したから大丈夫。笑ってるならいいや。」
「?」

笑ってるなら…?その言葉が引っかかり暫く考えていると

「いつもごめんね。」

と呟いていた気がする。
だがその次には明るくて私には眩しいくらいの笑顔で

「俺1番ぶろ行くからね!」

なんて言って階段を駆け下りていった。


もしかして……昔から気付いてる?
年子だからこそ、考えも心も私とはそう変わらないものだとは思うけれど…気付いてしまったのかもしれない。
あまり深く考えないようにするために私は明日の授業の予習をし始めた。



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