感情方程式。
「悩み事でもあるの?」
そう、突然言われた。
悩み事……
家のこと、クラスのこと…
思い出すだけで頭痛がする。
「…別に。」
すると、私の顔をまじまじと見つめながら「そう」と呟き会話が終わった。
でも…
「無理する必要ってないと思うんだけれどね。」
机によりかかり俯きながらそう言った。
その時の私の心に、小さな迷いが生まれた。
《この人に言えば楽になれるのか?》
《この人は私をわかってくれるのか?》
人に甘えることがわからない私。
我慢するのは良くないと伝えてきた教師。
「わかった様な口調で話さないで。」
あぁ、やってしまった。
だから私はダメなんだ。
そこに居づらくなった私は
図書室を後にし、その日は黙って教室で授業を受けた。
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