感情方程式。
着いてみると車の後部が見えた。
回って助手席の所へ行くと、奏太さんが電話を掛けようとしているところだった。

「張り切ってるねぇ〜。」
「うるさい。奏太さんだって来るの早過ぎ。」
「向かってる途中だったからね。」
「今から向かうじゃないじゃん…。」

やれやれと一息ついた所で車が発車した。

「朝ごはん食べてきた?」

…準備で夢中になり過ぎて朝も昼も何も食べていない状態だった。

「食べてない。」
「何で食べなかったの?!」
「いや、だって……。」
「だって?」

ニヤニヤしながら聞いてくるから絶対わかってる。
絶対わかってるくせに何で…。

「何かあったの?」
「いや、違くて。」
「じゃあ何?」
「あーもう!!準備するのに一生懸命だったから!!!」

心臓がすごいバクバクと音を大きく鳴り立てている。
同時に緊張と恥ずかしさで息切れもする。
すると奏太さんは片手運転をして、左手で私の頭を撫でた。

「うん、知ってるよ。可愛いし俺そういうの好き。」
「な、……やめて。」
「嬉しいくせに。」
「うるさい。」

そのままやり取りしていると車が止まった。
アウトレットや、レストランが勢揃いの場所だ。
たくさんの人が歩いている中、私たちも車を降り、歩き出した。



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