感情方程式。
外に出るとまだ7月の上旬だというのに、少し湿った熱気が漂っていた。
今年の夏はベストを着続ける事は不可能だな…。と思いつつ奏太さんが現れるのを車の横でしゃがんで待っていた。
「…え、何縮こまってんの。」
「待ってたの。」
「体調悪いかと思ったじゃん。はい、開けたからのって。」
助手席のドアを開けて乗り慣れてきたシートに腰を下ろす。
車内に広がるレモンの爽やかな香りが鼻をくすぐる。
「あれ?いつからこのアロマ置いてた?」
「うーん、5日くらい前からかな?もしかしてあんまり好きじゃなかった?」
「好き。」
「良かった。何か疲労回復に効果あるみたいだから試してみたんだよ。」
何気女子力高いな…。
私はどちらかというとベリー系の香りが好きだが、奏太さんといるときはこの爽やかな香りがすごく心地が良い。
流れる景色を見ているとそろそろ自宅が近づいてきた。
すると私の右手に暖かい指先が触れた。
「……手、握ってもいい?」
「もちろん。」
か細い声でねだる彼に応えるために、私はキュッと少し強く握った。
安心したのか、奏太さんは微笑んでいた。
そして、到着してしまった。
今年の夏はベストを着続ける事は不可能だな…。と思いつつ奏太さんが現れるのを車の横でしゃがんで待っていた。
「…え、何縮こまってんの。」
「待ってたの。」
「体調悪いかと思ったじゃん。はい、開けたからのって。」
助手席のドアを開けて乗り慣れてきたシートに腰を下ろす。
車内に広がるレモンの爽やかな香りが鼻をくすぐる。
「あれ?いつからこのアロマ置いてた?」
「うーん、5日くらい前からかな?もしかしてあんまり好きじゃなかった?」
「好き。」
「良かった。何か疲労回復に効果あるみたいだから試してみたんだよ。」
何気女子力高いな…。
私はどちらかというとベリー系の香りが好きだが、奏太さんといるときはこの爽やかな香りがすごく心地が良い。
流れる景色を見ているとそろそろ自宅が近づいてきた。
すると私の右手に暖かい指先が触れた。
「……手、握ってもいい?」
「もちろん。」
か細い声でねだる彼に応えるために、私はキュッと少し強く握った。
安心したのか、奏太さんは微笑んでいた。
そして、到着してしまった。