感情方程式。
視界に広がったのは図書室だった。
よくわからないが歩き出している私。
そしてドアに手をかける時に気付いた事があった。

…誰かいる?

決して、盗み聞きではないが誰もいないと思って私はここに来たため、少し入るのに躊躇った。


「………は、…………な…?」
「……だ………に?」

誰かが会話してるのが少し聞こえる。
誰だろうと思いつつ私は図書室に入るのを諦めた。
その場から離れようと後ろに振り返るとき、何となくドアのガラスを見てみると………

「え、…?」


奏太さんと他の女子生徒がそこで話をしていた。
いや、奏太さんかもハッキリとしない。
その一瞬で彼らの顔は黒く塗り潰され、世界が歪んで行く。
何故だろう、苦しい。呼吸がし辛い…。
その場にしゃがみ込み、喉に手を当て呼吸を落ち着かせようとした瞬間に元の現実へと私は返された。

「………。」

カーテンから溢れる日差しが目に入る。
大丈夫。此処は間違いなく私の部屋だ。
魘されてしまっていたのだろうか、喉が少し痛んでいる。


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