空を見上げて、月を描いて
就職してもうすぐ2年が経つ。
ここまで来るのは長い道のりで、不安も大きかった分1日が過ぎるのが毎日遅いように感じていた。
あの時から7年が経とうとしている。
今日彼女は、来てくれるのだろうか。
古びた金色の鐘が鳴る。
7年ぶりに見た葉月は、イチに聞いていた通り、そのままの“葉月”だった。
化粧もしてる。
髪型も色も変わっているけど。
高校生だった幼さの残る顔はもうしてない。
立派なひとりの女の人だ。
「……久しぶり」