二十歳の約束
お店に入って、お互いの事を少し話してた。
登坂君はクラブチームでサッカーをやっていて、何かの大会で勝ち進んでるらしい。
それで優勝できたら、もっと本格的にサッカーをすると言ってた。

ちょっとイメージと違った。
良い意味で。

ただのヤンキーってわけでもないのかな。


「あゆこちゃんは、中学は何中?」

この質問がくるの嫌だった。

中学から私立って言うと、地元では珍しくて、お嬢様とか、まじめとかって思われがちだから。

だから、とっさに

「海塚1中だよ」

と、通常通うはずの学区の公立中学を答えた。

「まじで?家、駅前なんだね。じゃあ、坂口学とか国元とか知ってる?」

もう無理だ・・・・この嘘はすぐに限界がくる・・・・

「1中の学区なんだけど、中学からs女いったんだ」

「そーなの?めっちゃお嬢じゃん!!」

やっぱりそう言われた。
少し登坂君もひいてる気がする・・・・


だから、私は中3からあなたを眺めてたんですよ。
と、また気づかれてない事を確信した。駅までおくってくれてバイバイ。

次がなかったら終わりだな・・・

ガキだと思われた?
お嬢ってひかれた?
ダサいって思われた?

また、幸せすぎて悪い方に考えてしまってた。

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